賃金評価制度が会社の根幹

人の評価を決める賃金評価制度

人の評価を決める賃金評価制度

お給料の額である程度、その人物の評価が決まると思いますが、その会社で給与やボーナスなどを支給する時に目安となる「賃金評価制度」を設定するのは、なかなか難しいものがあります。会社の規模にもよると思いますが、中小企業などでは代表取締役、つまり社長がだいたいの給与やボーナスの金額のラインを決定しています。社長の考え方により、どのような人にどれぐらい与えるかというラインは違ってきます。さらに、その考えが妥当かどうかも大切なポイントです。

賃金評価制度は、従業員に意欲的に働いてもらうためのシステムづくりです。がんばっている人が働きの悪い人とお給料が同じであれば、やる気のある人は辞めていってしまうでしょう。日本は長い間年功序列の制度で、年を取るとお給料は右肩上がりに上がっていましたが、この制度はだんだん崩れてきています。年を取っていても働きの悪い人に高い給料を払っていれば、優秀な若い人材を採用することができず、後継者が育たなくなるでしょう。

やる気のある人材を育てて、会社を大きくするためにも、正当な「賃金評価制度」を定めることが大切です。たいていの中小企業は、社長が賃金体系を決めていると思いますが、社長の独断的な金額ではなく、多くの従業員に納得してもらえる金額でなければいけません。どの程度の金額が妥当なものかというのは個人差がありますので、よく話し合う必要があります。また、時代により賃金ベースにも浮き沈みがありますから、変化に合わせた対応を行う必要もあるでしょう。

わが社の賃金評価制度

私は、システムエンジニアとしてソフトウェア会社に勤務しています。わが社にも賃金評価制度が導入されています。昇給額や賞与額は、賃金評価制度による評価結果に基づいて算出されます。わが社の賃金評価制度は4月に年間目標を上司と合意のもと設定し、半期に1度評価を行います。年間目標は技術力向上、人材育成、管理能力などの要素に分かれています。上期は中間チェックを行い、下期に年間での目標達成したかどうかの1年間の評価を上司と面談し行います。

賃金評価制度の良い点は、漠然と仕事をこなすのではなく年々能力を向上させ、その向上に対して賃金が支払われるのでモチベーションが上がるという点です。年間目標を設定しているので、業務の中で目標に向かって仕事を進めていくことで、自分のできる仕事範囲が広がりますし、より効率的に作業を進めることができます。その努力が昇給額や賞与に反映される賃金評価制度は、理に適っていると思います。賃金評価制度では、当然努力しなかった者に対して低い評価、すなわち昇給額が低くなるということもあります。

賃金評価制度の悪い点としては、評価する上司がどこまで部下の仕事ぶりをきちんと評価できているのかが、不透明な点です。評価する上司が正しく公平に評価するための訓練が必要となります。また、直接仕事に接点がない上司が評価する場合もあるので、評価される側としては、どこまで正しく評価できているのか不安感があります。賃金評価制度にも良い点と悪い点がありますが、能力を高めていくという点では優れた制度だと思います。

賃金評価制度が改定されて、給料も業績も良くなりました。

3年ほど前から賃金評価制度が改定になりました。以前までは年功序列で、昇格しない限りは賃金も変わらず、あるのは減額のみでした。会社側からも社員からも賃金評価制度の見直しを希望していたため、じっくりと社内で賃金評価制度改定の準備をしていたようです。新しい事にチャレンジするのは誰もが不安でしたが、業績連動型の賃金評価制度になったことで、賃金アップしやすい環境に変わりました。以前の制度よりも給料が安くなることもありません。

新しい賃金評価制度では基本は自己申告で給料がアップします。年初に自分の目標をたてて、上司との面談をします。新しい賃金評価制度では自分自身の評価と上司の評価が重要になりました。目標を上司に報告しますので、上司とのコミュニケーションも同時に計れます。上半期と下半期に分けて業績の振り返りを行いますので下半期に突入する際にも修正が可能です。年間を通しての目標設定ですので、後半からでも修正出来るように上司と相談が出来ます。

新しい賃金評価制度では資格手当も充実しています。以前から合った物をより細かく設定しました。また等級なども新しい賃金評価制度では変更になり、以前では上限がありましたが、項目が増えたので、同期社員でも給料の差が生まれるようになりました。賃金評価制度も新しくなって3年もたつと、評価する側もされる側も上手くコツをつかみ、コミュニケーション能力が向上しました。チーム力に変化が出たので、会社の業績も良くなりました。

賃金評価制度の運用と問題点

 「賃金評価制度」というと何だか難しく、堅苦しい印象を受けます。しかし、大企業は別としても日本の企業の大部分は中小零細企業という実態から、制度としての賃金制度が充分機能せず、事業主と労働者の間に賃金をめぐる軋轢が絶えないのも現実問題です。一番の問題は「評価」と「賃金」が結びつく基本的な考えや制度が確立していないことでしょう。 日本の中小零細企業の大部分は、社長が非常に曖昧な基準で(独断で)賃金を決めています。


 言い換えれば、社長が鉛筆をなめながら労働者一人ひとりの顔を思い浮かべて「この人はいくら」「あのひとはいくら」といった具合に給料を決めているということです。 こんなことを聞くと非常に驚かれるかもしれませんが、賃金に関する法律というものも「最低賃金法」くらいしかなく、逆に言えばこの「最低賃金法」さえ守っていれば賃金の決定は企業の代表である社長(及び役員)にすべてゆだねられてしまう、といっても過言ではありません。


 大企業ならば、たとえ「御用」であっても労働組合があり労働者の賃金決定について意見をさしはさめます(代表的なのは春闘)がニュースで春闘を報じられるのは本当に一握りの企業でしかありません。 昨今はインターネットの普及で労働者にはベールに包まれていた「労働法」もその本来の役割を果たさざるを得なくなりました。 「賃金評価制度」はこのような背景の下、脚光を浴びつつあります。事業主と労働者の客観的な橋渡しを「賃金評価制度」が果たしてくれる時代が来たといえるでしょう。

最適な人材で動く会社にする、賃金評価制度づくり

賃金評価制度づくりにおいて行われるのは、大きく分けて賃金制度づくりと評価制度づくりです。この二つは、別々に取り扱われるわけではなく、つねにつながっている状態だと考えるようにします。たとえば、賃金制度づくりでは、評価制度づくりで行われる社員個々人の達成プロセスや内容を吟味しなければなりませんし、評価制度づくりでは賃金制度づくりにおける社員個々人の現状賃金、職場の立場・役職・等級などと照らし合わせなければなりません。


会社によっては、このような賃金評価制度づくりを改めて行うことに、抵抗があるということも考えられますが、よりよい人材で動く会社にしていくためには、非常に効果的な制度になると期待すべきだと思います。最適な人材を手に入れたとしても、会社内でそれ以上に成長させられなければ、やはりよい人材も伸びていかないでしょう。つまり、職場の環境、そして直接評価と結び付けられやすい賃金を、うまく活用し人材を突き動かそうというわけです。


突き動かす役目、それを担ってくれるものこそ、賃金評価制度なのです。勘違いされていることがあるかもしれませんが、賃金制度づくりも、評価制度づくりも、決して社員を追い詰めるためのものではありません。どちらも、社員を突き動かすため、よりよい人材へと成長させるためのベースになります。社員にやる気を起こさせることができたなら、社員自身が会社のために働くことになり、会社内の人材がよりよくなっていくということです。

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