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日本ボクシング界とガチバトル!!映画『破天荒ボクサー』が横浜で公開

日本ボクシング界とガチバトル!!映画『破天荒ボクサー』が横浜で公開

もくじ

日本ボクシング界とガチバトル!!映画『破天荒ボクサー』が横浜で公開

『破天荒ボクサー』が横浜シネマリンで公開

『東京ドキュメンタリー映画祭2018』にて、準グランプリを受賞した『破天荒ボクサー』。
新宿K’s cinemaでの上映を経て、9月7日から20日まで横浜シネマリンで公開される。

日本ボクシング界とガチバトル!!映画『破天荒ボクサー』が横浜で公開

『破天荒ボクサー』のストーリー

大阪帝拳所属の山口賢一は、デビューから11連勝を果たし、日本タイトルに手が届く位置にいたボクサーだったが、タイトルマッチが組まれることはなかった。明確な理由はない。山口はホサれたのである。

業を煮やした山口は、JBC(日本ボクシングコミッション)に引退届けを提出。単身闘いの舞台を海外に移し、WBO(世界ボクシング機構。当時JBC非公認)に挑戦。アジア太平洋スーパーバンタム級暫定王者となる。

続くメキシコでは、日本人初のWBO世界タイトルマッチに挑戦。世界フェザー級王者オルランド・サリドに11RでKO負けを喫した。

2013年、同じくJBCに引退届けを提出した盟友・高山勝成をサポートも開始。メキシコでIBF(国際ボクシング連盟。当時JBC非公認)世界ミニマム級王者挑戦した高山は、王座に輝いた。

山口たちの挑戦後、JBCはWBOとIBFの2つの団体を承認。JBCと袂を分かった山口は両団体に上がることが不可能となり、新たなリングを求めざるを得なくなる。

日本ボクシング界の現状に対して疑問を抱く山口は、自身が海外で得た経験や考えを日本に伝えることを強く思うように。

そんな折、OPBF(東洋太平洋ボクシング連盟)タイトルマッチのオファーが舞い込んだ。
山口に提示された条件は、まさかの『JBC復帰』。

日本ボクシング界の変革と、自身の世界タイトルマッチ再挑戦のため、かつて袂を別った大阪帝拳とJBCへ話し合いに向かう山口だったが……。

日本ボクシング界とガチバトル!!映画『破天荒ボクサー』が横浜で公開

『破天荒ボクサー』の見どころ

JBCにとって知られたくない日本ボクシング業界の真実が、よく描かれているドキュメンタリーといえよう。

人気絶頂だった頃のK1に日本人ボクサーが出場したとき、他の格闘技のリングに上がったボクサーのボクシング業界復帰は認めないと苦言を呈したことからもわかるように、JBCはとても閉鎖的な団体。
国内で世界タイトルマッチ開催を計画する山口賢一に対しても圧力をかけ、不可解な対応を続けた。

そのような仕打ちを受けても、JBCに立ち向かう山口。地元・大阪で、小林健太郎を相手にWBF世界タイトルマッチを実現させたのだ。支援者のバックアップはあるものの、実質的にはひとりで打った興行だった。

世界タイトルマッチに出場する選手でありながらプロモーターも兼任。
会場探しやポスター作りといった業務に追われる山口の姿は、プロレスのインディーズ団体のエース選手とダブって見えた。

満足に練習時間を取れないまま山口はリングに上がったが、好勝負を展開。
試合シーンは迫力とリアルに溢れていた。日本の世界タイトルマッチで使用されるリングより小さめだったことで、テレビ中継では見ることができない、ほぼ選手目線のアングルで迫ってくる。

海外でのシーンも見どころいっぱいだ。ボクシング関係者とランキングの交渉をするシーンや、ローカル感漂う会場での試合なども興味深い。

8月27日、日本ボクシング連盟の山根明元会長が、プロボクシングの新団体を設立。
5階級制覇の元世界王者のフロイド・メイウェザーは日本を拠点として格闘技イベントを開催することを9月13日に発表。

日本ボクシング業界を取り巻く環境は大きく変わろうとしている今、見ておくべき作品である。

(文/シン上田)

 

 

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